ABOUTピッチ概要
ビビットガーデン代表の秋元です。ビビットガーデンが提供している「食べチョク」を簡単に説明すると「web版のファーマーズマーケット」、オーガニック野菜のマーケットプレイスです。こだわりをもった農家が野菜や果物を出品しており、季節の野菜をとりよせることができます。単なる食品ECではなく、農家さんとつながれることも特徴です。
私が食べチョクをはじめたきっかけは、私自身が農家の長女として生まれたことです。畑を遊び場として育ちましたが、「農家は儲からないから継ぐな」と言われ、実家の農家は廃業しました。私自身もDeNAに入社して農業とは別の道を歩んでいましたが、同じ境遇の人を減らしたいと思って、起業するに至りました。
なぜ農家が儲からないかというと、流通に課題があるからです。既存の農業流通には多くの中間業者がいて粗利率が低くなるうえ、販売価格が固定されてしまっているのです。いくら農家がこだわって農作物を作っても、そのこだわりは価格には一切反映されないという問題があります。
そこで食べチョクは、農家と消費者を直接結ぶことにしました。食べチョクは販売手数料20%をいただいても、中間流通を省き消費者に直販しているので、また価格を自由に設定できることで農家は収入を増やすことができるのです。
メリットがあるのは農家だけではありません。既存流通では集荷場を通しますが、食べチョクは農家から直接消費者に野菜が届くので、非常に鮮度が高い野菜が手元に届きます。また、伝統野菜などのこれまで地元でしか消費されていなかった食材も購入できたり、農家と直接コミュニケーションをとってオススメの野菜や食べ方を教えてもらうことで、日々の食生活をより豊かにすることが可能です。
次に市場についてです。オーガニック野菜の市場は1300億円、オーガニックに限らない農産品直売所は8700億円と、非常に大きな市場です。現在食べチョクはオーガニック野菜が対象ですが、将来的にはオーガニックに限らず、直売所すべてをオンライン化することを目指しています。これにより農家は、自分で価格を決めて自由に販売する世界にしていきたいと思っています。
メンバーは現在8名、IT企業出身者が多く、エンジェルの方々にも応援頂いて、サービス開発に強みがあるのが特徴です。
食べチョクは単にマーケットプレイスをつくるだけでなく、栽培情報のデータベース化も進めています。どの農家がいつどんな品目をだせるのかといった情報は、国やJAも把握していません。このデータベースを使って、買い手のニーズに最適な農家をマッチングするサービス「食べチョクコンシェルジュ」も提供しています。
消費者が好みの野菜を登録しておくと、自動で最適な農家さんを紹介。定期購買システムになっており、翌月継続率は90%を超えています。食べチョクの目的は農家の所得向上なので、C向けB向け区別しておらず、食べチョクコンシェルジュはB向けにも提供しています。農家から高品質な野菜を直接仕入れたいという、ちょっと単価が高い個人経営のレストランや、オーガニックレストラン向けにオーガニック野菜を提供。1店舗で25万円以上購入していただく例も出ています。
マーケットプレイスである食べチョクや、データベースを活かした食べチョクコンシェルジュを活用して、利益を2倍にした農家さんも出てきました。その農家さんには「これなら農家を継がせられる」と言って頂いています。
食べチョクに登録している農家さんは、2019年1月時点で231軒。2017年のローンチから順調に増加し、農家直送サービスの中で最もオーガニック農家を集めているサービスとなっています。
生産者が正当に評価される、というのは当たり前に聞こえますが、農業の世界ではまだまだそうはなっていません。食べチョクを通じて、そのような世界を実現していきたいと思います。