ABOUTピッチ概要
株式会社Forema(フォレマ)の小泉です。今日は特殊な領域の話をさせてください。
現在山間部を中心に、害獣として駆除される野生動物は年間80万頭以上います。鹿や猪なら売れそうなものですが、「販路がない」「消費が弱い」ことによって、9割以上が廃棄物として処理されています。
一方ペット業界では健康問題が顕在化。背景にあるのはベッドの高齢化です。国内ペット犬の6割弱が7歳以上のシニアで、10歳以上の犬の過半数はガンで亡くなっています。
そこで問題視されているのがドッグフードに含まれている添加物。同時に野生動物のお肉が究極の無添加食品として注目を集めています。とはいえ野生動物の肉は、在庫が安定しないという課題を抱えています。
山間部では害獣である鹿や猪の販路が欲しい。他方の都心部ではペットの無添加食品として鹿・猪肉の需要がある。この両者を結びつけるのがForemaの「ペットさん定期便」です。
ペットさん定期便では、月額4,360円で月1回、全国から鹿・猪肉が2kg送られてきます。つまりペット向けの野生動物、いわゆるジビエのサブスクリプションサービスです。
産地情報や商品レビューといったことはスマートフォンで完結。レビュー履歴や犬種、年齢などをの情報から配送内容はAIにより最適化されます。コアユーザーは40〜50代の女性。サービス公開した2018年5月から順調に成長しています。
国内ペット犬の数は約892万頭。驚くことに、そのうちの12.5%は餌を手作りしています。餌を手作りしている場合の食費は平均月1.5万円。ここから推計すると市場規模は約2,007億円となります。
さてここからはさらに重要な話です。Foremaにはペットさん定期便を通して、どういう犬種がどのような生活をして、どういう健康状態かという情報が集まってきます。そう、ペットさん定期便の本質は、ペットの健康情報のデータ化なのです。では具体的に、どうやってこのデータを収集・解析していくのでしょうか。
まずは第1フェーズ。ペットさん定期便を使っていただくことで、ペットの基本的な個体情報だったり、飼育環境、改善状況などがわかります。たとえば「8歳で嘔吐の多いフレンチブルドッグが鹿肉を食べた翌日は嘔吐がなくなった」「ずっと気になっていた口臭がなくなった」といった情報です。
続いて第2フェーズ。第1フェーズで見られた情報を、医学的な根拠に基づいて分析していきます。具体的には血液検査と腸内細菌検査検便です。ある肉を食べた犬の体内で何が起きているのか。そういったものを数値化していきます。このフェーズは現在大学の獣医学部と共同研究をしているところです。
最後に第3フェーズ。生活パターンの蓄積と解析です。何を食べたか、散歩で何キロカロリーを消費したか、そういったデータを蓄積していきます。基本的な生活、血液検査結果、腸内細菌の増減などを組み合わせていくと必ず見えてくるものがあるはずです。
それに対してForemaは、こういった食生活を続けていくと、何年健康寿命が増える、病気の発生率がどれくらい抑制できる、といったことを飼い主に提示できるサービスを目指しています。
野生鳥獣を活用することでペットヘルスケアに貢献していくことをビジョンに掲げるForemaです。ありがとうございました。