ABOUTピッチ概要
株式会社LINK代表取締役の水野です。私たちは介護サポーターのマッチングサービス「イチロウ」を運営しています。
私は以前老人ホームで働いていました。外見は立派だったのですが、中では人の尊厳が踏みにじられているのではないかと疑わずるを得ない介護をしています。例えばトイレは決まった時間にしかいけない。お風呂は介護用のイスを使うのですが、これだと膝下しか湯船に浸かれません。真冬でもです。
介護というのは、人生最後の生活でもあります。それがこんな生活でいいのか。こんな疑問から私は、老人ホームを含め介護保険について掘り下げて見てみました。
まず介護保険のサービスは、生きるために必要最低限をサポートする仕組みです。そのため健康管理のための通院の付き添いや趣味、孤独解消の話し相手などは最低限「以上」だとして、保険サービスは使えません。
また様々なルールや規制があるので、非常に満足度が低い。たとえば自宅介護は1時間以内と決まっているので、ヘルパーは急いで仕事をする必要があります。こんな状況では人に寄り添った介護は困難。またヘルパーの指名もできないので、いいヘルパーが来るかどうは運次第になっているのも課題です。さらに介護保険サービスは1対1になりがちで、サービス内容が不透明でブラックボックスになってしまいがち。
このような状況において介護保険サービスは「安かろう悪かろう」と思われることが多くなっています。つまり既存の保険サービスでは、高齢者のQOLを高めるのは難しいのです。
そこでLINKは、保険という制度に囚われずに、保険外で品質の高い介護サービスを展開することにしました。そして作ったのが「イチロウ」です。
イチロウは自由にオーダーメードしてどんな種類の介護も受けられる介護サービス。独自の利用料金と時給の仕組みで、どんな内容を誰がやるかで料金が変わります。時給の70%がサポーター(編注:介護者にあたる)に入る仕組みで、初心者がやれば1400円、ベテランが対応すれば2200円です。努力すれば時給が上がる形式になっており、サポーターにはどんどんスキルアップしてほしく、そのための教育の仕組みを現在構築中しています。
家族の目線からもイチロウは有益です。既存の介護保険サービスは当日までどんな方が来るかわかりません。しかしイチロウでは事前に来る方がわかりますし、サービスを提供後には写真付きのレポートが届きます。
国内の保険外市場のマーケットは8000億と言われています。イチロウは現在名古屋を中心にサービス展開していますが、東京・大阪などの主要都市の市場を合算すると、約1174億円。ここを狙っていく計画です。
イチロウの拡大戦略として重要なのは、地域ごとの介護サポーターを押さえていくこと。地域で介護セミナーを開催したりと、オリジナルコミュニティーを作り「イチロウ」に登録してもらい、そこからリファラルで介護サポーターを増やしていく戦略です。
最後に、LINKはイチロウを通して、年収1000万の介護士を世の中に排出することを1つの目標に掲げています。イチロウで介護する人もされる人も幸せな世の中を作っていきます。ありがとうございました。