ABOUTピッチ概要
株式会社Best path Partnersの高橋です。よろしくお願いいたします。
まず自己紹介させてください。私は3年前に慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスに入学し、湘南で夢の学生生活を満喫。家の近くには地元産の鮮魚や野菜を使うおいしいお店があり、当時は一人で毎日のように通っていました。家族経営で賑わったお店で、まるで実家にいるような感覚です。しかし経営が難しく、おじさん一人で切り盛りするようになりました。おいしいお店だからといって必ずしも成功するわけではないということを痛感し、「飲食を救えるサービスを作りたい」と考えるようになります。
さて皆さん、こんな経験はないでしょうか。飲食店でビールを注文したとき、渋谷のお店では500円、西麻布のお店では850円、地方の居酒屋では200円だった。「同じ商品なのに、なぜこんなに価格が違うんだろう」と疑問ですよね。
その要因は飲食店の「値決め」です。値決めは長年にわたる勘や、原価からの逆算、あるいは競合店舗の価格など外部要因に左右されていて、経営戦略や顧客志向に基づいた意思決定ができていません。その結果、値引きをしても販売数量が上がらず売上を圧迫する、値上げをしすぎて顧客満足度を下げてしまう、等の現象が生じています。
本来教科書的なプライシングをするためには、まず「利益の最大化」や「在庫処理」などの目標を決め、次に需要の予測やコスト評価、競合などを分析していきますが、それぞれが複雑で難しい。そのため多くのお店は結局適当に値決めしてしまっています。
この問題解決として、Best Path Partnersは飲食店をメインターゲットとしたクラウド型プライシング支援サービス「Best Pricing」を展開しています。Best Pricingは「企業の経営方針」「東京都内13万店舗の価格データ」「行動経済学をベースとしたモデル」「商品の購買データ」の4つの軸を複合的に分析し価格を決定。その後も、毎日の購買データから商品価格の弾力性などを分析し、日々の利益向上に貢献します。
Best Pricingの強みは「プライシングメソッド」です。Best Path Partnersは全国に450店舗展開している飲食店複数店舗で実証実験を行い、プライシングとお客様の反応のデータを獲得・分析。その結果、値段を上げるべき商品、下げるべき商品がわかり、プライシングにおけるメソッドが蓄積されました。
ところで日本マクドナルドは2008年から2015年の間、都道府県や地域ごとに価格を変える施策をしかけ、大成功を収めています。しかしマクドナルドレベルの企業でさえ、地域別価格の成功までには1年の歳月がかかりました。Best path Partnersは、マクドナルドが年単位の時間をかけて成功させたような価格設定という難題を、どこの飲食店舗でもできるようにしたいのです。
人々の収入状況や生活費用は地域ごとに異なります。それぞれに合わせたプライシングを導入することで、約10%とされている飲食店の利益率を20%まで向上できる。そうすれば約20兆円規模の飲食市場に、新たに2兆円の市場を生み出せます。
次にBest path Partnersのポジショニングについてです。プライシング業界は今とても伸びていて、リアルタイムで価格が変動する「ダイナミックプライシング」が当たり前になりつつあります。しかし中にはダイナミックプライシングと相性の悪い領域もあり、そのような領域でも戦っていこうと考えています。
2020年の実行計画の柱は2点。1点目は導入店舗の拡大、2点目はBest path PartnersのプライシングコンサルタントをAI化し、ツールによる完全自動化を実現することです。価格を科学して、売手と買手の心をつなぎます。
以上です。ありがとうございました。