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現在大きな社会問題になっているのが「再配達問題」です。207株式会社は「物流のラストワンマイル」を、テクノロジーによって再定義しようと考えています。
再配達によって排出されるCO2は年間42万トンと、国内CO2全体の1%に上ります。また再配達により無駄になっている労働力は約9万人分に相当。現在再配達を軽減するために多くの取り組みが行われているものの、2018年から2019年にかけて年間約3億2000万個の荷物が再配達され、その数は増加し続けています。
実は配送員の約7割は個人事業主で、その報酬は荷物を運びきった数で決まります。従って再配達で最も負担が大きいのは配送員個人なのです。そこで207は再配達を解決するために2つのソリューション、配達員向けの「TODOCUサポーター」と受取人向けの「TODOCU」を提供しています。
荷物配送の課題は、地図に印をつける等の配送準備のアナログ作業や、不在宅に配達する非効率、置き配の盗難に対する責任問題等が存在することです。TODOCUはこれを、伝票を撮影するだけで地図上にピンが立ったり、不在が予め分かったり、置き配の盗難がリスクヘッジできたりする機能によって解決していきます。
具体的な利用フローです。配送員が複数の荷物伝票を撮影すると、荷物が地図上に自動でプロットされます。そこから在宅確認のメッセージをボタン一つで送信。受取人はメッセージを受け取ったら、専用ページより在宅回答や各種依頼を行います。配送員はその情報を元に効率的に配送していきます。また受取人は専用アプリでGPS設定することで、次回から回答の手間なく荷物を受け取ることも可能です。
数万個の荷物を対象に実証実験を行った結果、受取人の回答率は約4割で、時間単位の配送効率は約9割も上昇しました。TODOCUは2020年1月からリリースしていますが、配送員は月間100人単位で増加中。春には数百人規模の物流会社3社での導入を予定しています。
TODOCUの仕組みによって配送効率化が実現できたら、第2フェーズとして、配送の素人が隙間時間で荷物を運ぶサービス「TODOCU便」を開発予定です。配送の素人が活躍している市場と言えば、Uber Eatsに代表されるフードデリバリー市場が思い浮かびます。この市場の課題は、ピークタイムしか稼げないという点です。
そこで207は「宅配便とフードデリバリーを組み合わせたら稼げる」という仮説を検証したいと考えています。なぜなら今後は物流業界の人材不足とフードデリバリーの市場拡大が見込まれているからです。TODOCUで取得した配送効率化データが、競合優位性となっていきます。
直近の目標はTODOCUサポーターの営業強化と、TODOCU便のオペレーションの確立です。それが達成できたら第3フェーズでは、ドローンや自動運転等による配送業務の自動化を進めて、物流のラストワンマイルを再定義します。以上です。ありがとうございました。