ABOUTピッチ概要
「すべての人に最高の空間体験を!」。株式会社ジオクリエイツ代表の本田です。2012年より建築領域のCG・VRの事業を始めました。これまで大手設計事務所を中心に取引をしていましたが、2017年頃よりB2BのVR用SaaS「ToPolog(トポログ)」の開発を始め、2018年から建築VR派生のスタートアップとして展開しています。
私は祖父が宮大工の棟梁だったこともあり、幼少期から建築に興味を抱いていました。大学院時代には建築学会賞受賞の「VRと視線分析の研究」に携わり、最近では渋谷スクランブルスクエア等の大規模プロジェクトにも関わっています。
ジオクリエイツのミッションは「空間デザインの民主化」です。これまで建築家が温めてきた空間の概念を広く一般に共有して「全ての人に最高の空間体験を!」というビジョンを届けてまいります。
空間デザインにおける課題は、設計事務所、事業主、エンドユーザーの三者がいる中で、設計者の設計がどうしても勘や経験則に頼りがちで、その根拠が事業主やエンドユーザーに伝わりずらいことです。
そこでVR用のSaaS「ToPolog」を使って、建築物を見る人の視線や脳波を分析し、空間体験価値を定量化してエンドユーザーに最適な空間体験を届けます。その結果事業主の売上アップにも貢献します。
上図はある商業施設の設計から竣工後の調査までを、VR開発からToPologの利用まで実施したプロジェクトにおける竣工後の現地撮影VR実験の結果です。歩行しながらVRカメラで撮影したVR動画で実験を実施しています。画像に表示される赤い部分が利用者の注視箇所で、意外な部分が見られていることが分かりました。
この結果を踏まえて、例えば利用者から多く見られているのに坪単価が安いような場合は事業主側の機会損失となるので、坪単価を上げる交渉に繋げられます。
ToPologでは脳波を使ったABテスト用のUIも用意しています。上図はハウスメーカーによる設計事例です。天井を白色と茶色に張り比べて脳波の分析をしたところ、ユーザーは白い天井の方がリラックスしているという傾向が出ました。この結果を用いればカラーバリエーションを用意するコストが削減できます。
このようにToPologを利用して視線分析による注視位置や脳波分析によるリラックス位置をアジャイルに提供することで、設計プロセスに掛かる時間を圧縮して設計の質の向上が実現できるのです。
このようにToPologを利用していただければ、まだ建ってない新築建物のCADやBIMなどの設計用VRを提供したり、チェーン店やリニューアルの際の現地調査、現地事業主施主側のサイン計画や家具の配置やテナント内のPOPや陳列等をシュミレーションできます。つまり設計者と事業主をつなぐツールとなれるのです。
ToPologの利用方法は簡単で、webアプリ形式でログインするだけです。360度のコンテンツを読込ませておき、VR視聴するだけで、視聴データが蓄積されます。QRコードやメールでVR空間にアクセスできるURLを発行することにより、誰でも閲覧可能です。分析については1人分のデータはもちろん、複数人データの合算も可能。任意のタイミングで、AI機能による視線推定の結果も確認できます。
ToPologでは基礎データとして現地での実験も必要に応じて実施しますが、撮影したVR動画内での視線や脳波の反応を特徴量として学習データにしています。
そのため、本来なら実験や解析にかかるコストや時間をカットでき、効率的に家具やサイン配置のABテストや最適位置の施策立案などを実施できます。
現在は、基本となる約1万件の学習データに基づいた視線推定の結果を、VR静止画や動画から得られます。さらに各業種向けの学習データの蓄積も続けているところです。
VR・AR市場は右肩上がりで伸びており、ジオクリエイツは「建築+小売り」分野で攻めていきます。360度VRというAI化しやすい分野において、設計、小売り、不動産の間という独自の立ち位置を上手く活かすつもりです。
ジオクリエイツはVR管理のテクノロジーや国際特許を多数保有しており、データ蓄積は既に1万件以上。私が経歴的に建築業界のリテラシーも十分理解していることもあって、コンペティションの勝率は約7割を誇ります。
ToPologは既に設計業界の最大手企業に導入いただいており、デバイスメーカーや小売にも展開中。ToPologが使えるデモルームを用意頂いている企業もあります。直近アクセラレーターに採択されていたリコーとはVRカメラ部門や営業部門とも連携して、小売店舗などに共同展開しています。流通経済研究所のマーケティング部門とは、食品等のメーカー30社程度との大規模な実験プロジェクトを実施中です。多数のアクセラレーターやイベントでも採択されつつ、オフラインやオンラインのVRからのデータを蓄積し続けています。
ビジネスモデルは上図のようになっています。まず個別の設計やシステム開発のVRも適宜伴走して開発しつつ、建築・設計会社、デバイスメーカー、不動産情報サイト等からデータを受け取ります。次いでVR蓄積データからAIの機能を提供する範囲をAIプラットフォームとしてジオクリエイツが用意。建築・設計や小売・商社・保険等の方々に利用いただきます。
VRを活用して設計者と事業主の間をつなぎ、領域横断するオープンイノベーションのSaaS展開を進めていきます。 「すべての人に最高の空間体験を!」ジオクリエイツです。よろしくお願いいたします。