ABOUTピッチ概要
株式会社プレカルの大須賀です。プレカルは薬局最大の事務作業をなくし、年間6000万時間を全国の薬局から削減します。
私はもともと薬剤師で、自身で薬局を立ち上げて経営していました。その経営の中で感じた課題を解決するため、薬剤師とエンジニアのチームで活動しています。
薬局はコンビニよりも多い6万の店舗があります。この6万店舗が年間にさばく処方箋枚数が8.4億枚。1薬局当たり月に1000枚以上になります。
私たち薬剤師はこれだけの回数、薬を用意していますが、その中で最も負担になっている作業が処方箋入力です。薬局最大の事務作業であり、ここが滞ってしまうとその先へ進みませんが、この作業は従来のやり方からアップデートされていません。
なぜこのような事態になっているのか。理由のひとつは処方箋項目が複雑なことです。入力項目は基本的に40以上あり、病院ごとに処方箋の形式も異なるため、OCR開発の妨げになっています。
もうひとつは入力方法が複雑であること。入力はコードで行い、例を挙げると「.1101=朝食後」、「.1102=昼食後」、「.1111=朝食前」などです。ほとんど変わらない数字ですが内容は違います。さらにこのコードは薬局ごとに300種類以上もあるのです。
そこで我々は、遠隔で入力を代行するサービス「プレカル」を提供しています。まず薬局側が顧客から受け付けた処方箋を、プレカルに向けてスキャナーから送信。次にその画像をプレカル事務員が受け取り、高性能なOCRを用いながら情報を入力後、その内容をプレカル事務員が修正して薬局側に送り返します。ここまでを最短数十秒で実施できます。薬局側はデータを受け取って内容を確認し、印刷物を薬と合わせて患者さんに渡して完了です。
プレカルの特徴はまず、処方箋の入力コストを約3分の1まで下げられること。次に薬剤師が監修しているため、複雑な処方箋フォーマットに対応可能なこと。日々蓄積される処方箋テンプレートにより、高性能なOCRも開発可能になります。それから薬局ごとにカスタマイズが可能なこと。薬局ごとに異なる処方箋の入力コードをプレカルに蓄積するので、さまざまな薬局に対応可能になります。
以上の特徴からプレカルは既存のプロダクトに比べて大きな優位性があり、プレカルをテスト導入時した顧客からも、「簡単に導入できた」「完全に入力を行わず済むようになるのが待ち遠しい」といった声をいただいています。
現在数社・数十店舗でテスト導入を行っており、完全版を2020年8月以降にリリース予定です。ビジネスモデルは初期費用+月額利用料で、入力代行1枚ごとの従量課金制。薬局の数は6万店舗あるので、この全ての入力業務をリプレースした場合、1100億円の市場規模を見込んでいます。
プレカルのフューチャープランは、PHR(パーソナルヘルスレコード)です。PHRとは患者一人ひとりが自分自身で、医療・健康・介護情報を一元管理するシステムのこと。その対象者は全国民ですが、まだこの領域にはナンバーワンプレーヤーがいません。
ですが薬局を知り尽くしたプレカルであれば可能です。プレカルは日本人が多く接する「薬」から、PHR市場の独占を目指します。
具体的にはプレカルに蓄積する処方箋の情報を利用し、まずはバーティカルの薬局領域において、入力データを利用した薬局の作業支援を行います。
次に血液検査時の入力代行です。病院で血液検査をした際に処方箋とセットで発行される、検査値の表。この表の数値データを処方箋入力の技術を活かして入力します。そして医療情報の根幹をなす薬と血液のデータをPHRとして、自動でプレカルに蓄積していきます。
その後はプラットフォーム領域への展開です。まずは医療機関のネットワーク化、そして製薬業界や保険業界に対してもデータを利用したビジネス展開を計画。ここまでの話は日本に限らず、グローバルな展開を目指します。
今後の開発に向けて、お力添えいただけるとありがたいです。よろしくお願いいたします。