ABOUTピッチ概要
KEYes代表の栗山です。KEYesは福岡のインキュベーション施設・Fukuoka Growth Nextにて、約1年半前に設立されました。今回は南京錠を用いた「スマート南京錠システム」について紹介させていただきます。よろしくお願いします。
南京錠はすでに私たちの生活やビジネスの中で多数使われている製品です。しかしKEYesが実証実験などでコモディティを分解し、その用途を調べた結果、もっと便利にできることが分かりました。
南京錠は廉価で使いやすいものの、キーボックスや鍵束で保管し、持ち出し者が分かるようにノートで管理するなど、鍵の管理自体が前時代的です。そのため南京錠にまつわるトラブルは非常に多く、単純に鍵を紛失する事件や、多くの人が番号式南京錠の解除番号を知っている現場では盗難事件が発生しています。
不動産会社では内覧の都度、鍵を管理会社に取りに行くのが手間です。さらに内覧時に解除番号を知った人が深夜に侵入して窃盗をはたらいたり、内覧に立ち寄った女性を軟禁したりする犯罪も起こっています。
KEYesのシステムは、サーバーを介してアプリに南京錠の解錠権限を与え、Bluetoothによって解錠を行う、キーレスの南京錠システムです。大きな特長は2つで、ひとつは鍵の開け閉めがいつ誰によって行われたか、履歴が取れること。もうひとつは解錠権限の設定ができることです。すべての南京錠を開ける、1回だけ解除可能など、用途に応じた使い方も設定できます。
KEYesはすでに複数の実証実験を実施中です。2020年頭に西部ガス様との実証実験では、管理施設の定期点検用のアプリを開発。アプリを起動したスマホを持ち歩くだけで点検ができるようにして、鍵が不要な巡回業務を実現しました。
トヨタ自動車九州様と共に取り組んでいることは2つ。ひとつは同社内で共有するモニター車をアプリで予約し、アプリでキーボックスを解錠して車の鍵の出し入れを行うものです。これは今後カーシェアリングシステムに転用していきます。
もうひとつはロックアウト南京錠。工場のテーブルやプレス機などを一時的に止めて不具合チェックする際、誰かが間違えて稼働させてしまう事故を起こさないために開発しました。全世界の工場で一人ひとつずつ持っており、鍵を開け閉めした履歴はリアルタイムで把握できます。このサービスは巨大事業になる見込みです。
不動産大手・あなぶきグループ様とは、入居者の退去から原状回復、内覧まで、鍵のやり取りをなくす賃貸物件管理を実現しています。
KEYesはこれらの実証実験により、業界ごとの南京錠の利用方法や用途など、ハード・ソフト両面での不具合を解決してきました。今後も未開拓業界のパートナーと共に、最適なサービスを生み出したいと思っています。
南京錠の大きな特長は耐水性で、屋外で風雨にさらされても大丈夫です。またシリンダーキー付きドア以外でも設置できるので、置き配やロッカーなどでも利用できます。この汎用性を活かして、スマート南京錠システムを広く普及させていきます。料金体系は初期費用0円で、月額利用料をいただくサブスクモデルです。
日本の商業ビルや集合住宅、戸建て、教育施設、送電鉄塔などの総数から類推すると、日本で使われている南京錠の総数は、少なくとも5億個以上。KEYesはこの南京錠の中でも、命や財産を守っている南京錠のニーズを取り込んでいきます。
今後は不動産業界を皮切りに大規模工場や警備業界、建設業界に進出してきます。ご清聴ありがとうございました。