ABOUTピッチ概要
株式会社bajjiの小林と申します。私は野村総合研究所、グリーを経てシンガポールで独立しました。世間を席巻・変革するサービスをつくりたいと思い、これまでに4社創業して、結果は2勝2敗。今回が5回目の挑戦です。
何でもスマホでつながれるこの時代に、デジタルネイティブの約4割が「ストレス・不安・孤独」を感じているという調査結果をご存じでしょうか? 孤独はストレス・不安につながり、メンタルの問題を引き起こします。
昨年末に行ったデロイトの調査によると、日米欧の約1億人が毎日何かしらの不安を感じているそうです。これが深刻化すると自殺につながります。そこでbajjiは、日々の孤独を深刻化させないための、メンタルケア・セルフケアアプリを開発しようと考えました。
アメリカの医師監修メディア『Healthline』に掲載された「ストレスや不安を解消する16の方法」のうち、アプリに実装できて人が簡単に実行できるものを検討。「ソーシャルなつながり」による孤独感の軽減と、認知行動療法の一種である「感情日記」を掛け算したアプリ「Feelyou」をローンチしました。
FeelyouのUIはとても簡単で、アプリに表示された「7つの感情レベル」から今の感情に近いものをタップするだけで、複雑な感情が吐き出せます。全てのポストが感情に紐付いているため、感情によるフィルタリングが可能です。
人は感情が揺れ動いたときに、同じような境遇の人を知って、気持ちを落ち着けることがあります。例えば悲しいときに「SAD」をタップすると、世界中の「SAD」の投稿だけが見れるようになり、同じ感情によるつながりを感じられるのです。
Feelyouのプラットフォームには、世界中の同じ気持ちの人とコメントし合う機能や、気持ちを吐き出しにくいときに使えるよう、コメントを匿名にする「Anonymous」ボタンも搭載しています。
アプリを利用し続けると感情のデータが貯まっていき、感情起伏の線グラフや、先月の感情を集約した円グラフが作成されます。日記形式のカレンダーで感情を振り返ることができるので、メンタルコンディションを整えるサポートも可能です。
ビジネスモデルは月額課金制で、感情を吐き出して共感を得る部分までは無料、それ以降の内省する部分は有料で提供しています。2020年7月にローンチしてから2か月で、約2.2万人のIDを獲得。月間のアクティブユーザーは約1.2万人です(編注:2020年10月時点)。
ユーザーは全世界に分布し、日本でも利用されていますが、半数以上は欧州のユーザーになります。ユーザーが感情を吐き出したり、誰かにアドバイスしたりする回数は、ひと月当たり約15万回に上りました(編注:2020年9月の実績)。
Feelyouの活用方法は、何か困ったことがあったときに使う、日々のコンディション管理のために使う、同じ境遇の人のコメントを読むために使う「ROM専」の3パターンに分かれています。先日ユーザーアンケートを取ったところ、ユーザーの95%から、Feelyouを使い始めてからメンタルコンディションが良くなったと回答いただきました。
マインドフルネスは、アメリカだけで約2000億円規模に急成長中の市場です。新型コロナウイルス感染症の影響で、このマーケットは急拡大の様相を呈しています。
競合になるアプリは、感情日記とソーシャルアプリのそれぞれに存在しますが、このふたつを組み合わせた競合はいません。将来的には、「Happy」だった人が「SAD」になったときに、ある旅行を提案するなど、感情ベースでのサジェスチョンを実施したいと考えています。
今後は欧米主要国で展開しながら、日本市場も狙っていく予定です。SNS広告を活用し、安価な獲得コストでユーザーを増やしていきます。以上です。ありがとうございました。