ABOUTピッチ概要
株式会社ZINEの仁田坂です。CancerWithというプロダクトを作っています。がんに関わる全ての人の本質的な悩みに寄り添い、自分らしく生きる世界をつくりたいと考えています。
ぼくらのミッションは、往年の社会課題である「がん患者の治療や生活への不安」を解決することです。2人に1人はがんになる時代。がんは治らない病気ではありません。しかし、がん罹患者の方の情報の取得や相談はいまだに困難です。がんだと判明してから治療方針が決まるまでに半年もかかったり、治療を選択したけれど不安を感じたりするがん患者も多く見られます。
社会復帰したあとも後遺症や再発などのリスクがあり、お金、妊孕性、就労、恋愛・セクシャリティなどの問題を抱えています。こうした生活上の問題は、解決のノウハウが属人化しているため、医療従事者でも解決に導きにくいのです。
そこで、相談を希望するがん患者・がんサバイバーと専門家をつなぎ、治療や生活の不安に寄り添うサービス「CancerWith」を構築します。がん患者の質問に対して専門家が答えるサービスをMVPとして、2020年12月からフィジビリティテストを開始する予定です。
がん患者からの質問は、「大腸がんに罹患して人工肛門になりました。温泉に行けますか?」などがあります。このような質問へのナレッジは属人化しているおり、病院内の医師や看護師、ソーシャルワーカーでは答えられない可能性があります。CancerWithはこれらをデータベース化し、回答へのアクセスを容易にします。
日本の予防医学市場は66.3兆円、予防モニタリング市場は15.2兆円、がんの診断・予後に関する市場は1.6兆円です。ZINEはがんの診断・予後だけでなく、予防モニタリング市場まで見据えています。
医療問題に取り組む競合サービスの多くは、医療従事者向きのプロダクトですが、CancerWithはがん患者の方を向いて価値提供します。また競合サービスのうち、生活上の悩みをオンラインで解決する領域のプレーヤーはいません。アメリカでもこの領域は空いているため、早期に面を取りたいと考えています。
現在はローンチ前のため、ユーザー候補者を増やしている段階です。まずは国内最大のがん相談支援サービスを目指して、サービスをグロース。将来的には「がん相談支援センター」のアウトソーシング先になる展開も考えています。まずはAYA世代のがん患者様にフォーカスして、サービスを検証していきたいです。
私は出版社、ミクシィを経て起業し、創業から5年間はオウンドメディアの受託制作を行ってきました。医療機器スタートアップのPLIMESにも参画し、誤嚥性肺炎と高齢者にフォーカスした事業も行っています。
受託制作を続けてきたなかで、がん患者の方への取材を1年半行ってきたのですが、聡明な方ががんに罹患し、仕事を辞めて後悔するなどの事例を目の当たりにしてきました。私の祖母も80万円で「がんが治る水」を購入しており、がんに関する情報の非対称性は他人事ではありません。そんな困難性の高いがんの問題に注力するためにこの事業を立ち上げました。
まずは相談支援サービスから始め、今後さまざまな領域へ展開していく予定です。どうぞよろしくお願いします。