株式会社HANOWAの新井です。よろしくお願いします。HANOWAは、2019年12月末に医療人材の”お試し採用”プラットフォーム「HANOWA」をローンチした、大阪の歯科系ベンチャー企業です。提供するのは、歯科業界のギグワーク・プラットフォーム。その入口として、歯科衛生士にフォーカスしたサービスをスタートしました。

歯科医院に勤務する歯科助手と歯科衛生士には、国家資格の有無と、患者の口の中に手を入れられるかという業務領域の違いがあります。HANOWAがフォーカスする歯科衛生士は、国家資格を持つ歯周病予防のプロです。その歯科衛生士が現場でかなり足りておらず、素人同然の新卒人材でも求人倍率20倍という、苛烈な競争が発生しています。

一方で28万人の有資格者のうち、約53％に当たる15万人が遊休資産として眠っているのをご存じでしょうか。その原因は、歯科衛生士の大半が女性で結婚や妊娠出産などのライフイベントを迎える率が高いのに、職場環境がレガシーで対応できていないから。そのため、ライフイベントをきっかけに退職しやすいという問題があるのです。

そこで私自身が歯科業界で採用コンサル等を4年近くやっていた経験から、歯科衛生士が滑らかに働けるギグワークのプラットフォームを開発しました。

HANOWAを開くと歯科衛生士が並んでおり、プロフィールや稼働履歴や過去のレビュー等が閲覧でき、カレンダーからの予約が可能です。現在は都内23区と大阪市内をメインに、500名以上の歯科衛生士が集まっています。自分で時給を決めて働き、稼働するほどレビューが溜まっていく仕組みです。

課金形態は、日当の30%を手数料としています。勤務後に常勤やパートとして直接取引されることも多かったので、2020年10月から直接取引時の料金形態も設定し、引き抜き自由に変更しました。これにより再度トラクションが伸びている状態です。

歯科衛生士の獲得には無料のネット求人媒体、歯科医院はFAXDMを使って獲得し、費用対効果も高く集客できています。ユーザーである歯科衛生士の感謝の声も、SNSで多く上がるようになりました。

HANOWAには、医療人材同士のレビューが日々蓄積されています。今後はこのレビューを患者に開放することで、信頼性の高い医療の予約プラットフォームとして成長できるのではないかと検討中です。

実際に米ユニコーン企業のZocdocが、医療人材に対するレビューを公開し、クリニックではなく医療人材に直接予約を取るプラットフォームを作っています。HANOWAはこうした世界観が日本でも広がっていくと考えているので、その準備として医療人材のデータを溜めているところです。

歯科医療市場は3兆円規模で、その約半分の1.5兆円が人件費と言われています。そのうち歯科衛生士の人件費4000億円でシェアを拡大していきます。ご清聴ありがとうございました。どうぞよろしくお願いいたします。