ABOUTピッチ概要
Hubbit株式会社です。メンバー全員がIT系出身、かつ医療・介護・終活のいずれかの資格を保有し、「“より良い最期”をITで実現する」というミッションで事業を展開しております。
Hubbitが現在フォーカスしている課題は、高齢者のデジタルデバイドです。デジタルデバイドとは、ITが使えるか、使えないかによって生じる格差のことで、コロナ禍によって著しく広がっています。最近では65歳以上対象でワクチン接種予約が電話とネットで開始されたものの、高齢者はネットが使えないので電話の順番待ちをしなければならず、結局予約できなかったという事例がありました。このようなデジタルデバイドの問題を抱えている高齢者は全体の約7割、2600万人もいると言われます。
これを解決すべくHubbitは2020年末に3か月間、有料老人ホームに住み込んで高齢者の実態を調査しました。そこでわかったのは、想像以上に高齢者本人のITリテラシーは低く、特にデジタルが苦手な方は、比較的簡単なUIのLINEすら操作できないということです。そのため、介護従事者にお手伝いしてもらおうと思ったところ、彼女たち自身もITへのアレルギーが強く、サポートを依頼する事は難しいと判断しました。
この現状を踏まえHubbitは、周囲のサポートなしでITを活用できる「Carebee(ケアビー)」という商品を開発しています。
先ほどの調査で、どんなにITリテラシーが低い方でも文字ボタンかつワンタップなら操作できることが分かりました。そこでCarebeeは、「話しかける」というボタンをワンタップするだけで、Carebeeのサポーターが右側に映り、高齢者はサポーターと会話し操作面でお困りがあれば、サポーターがサポーターのPCからタブレットを遠隔操作できる仕組みとしています。
例えば高齢者の方から「娘と連絡したい」と言われたら、サポーターが「娘さんとの連絡にはLINEが使える」と判断して、Carebeeサポーターのパソコンから高齢者の持つタブレットを遠隔操作し、LINEで顔を見ながら娘さんと会話できるようにします。
高齢者がITを使えない理由は主に2つ。1つは、高齢者にとってピクトグラムや直感的なUIは、まったく直感的ではないこと。もう1つは、LINEやYouTube等のアプリで何ができるのかという知識が欠けていることです。そこをクリアすべく、Carebeeはサポーターを介入させてデジタルデバイドの解決に繋げています。
Carebeeはタブレットで実現できることなら何でも対応可能です。こうしたサポートは介護保険の対象外であり、介護従事者・関係者がボランティア的に対応することが多かったのですが、コロナ禍でこうした対応が限界を迎えています。Carebeeを活用することで高齢者のQOLを向上させつつ、医療・介護従事者の負担軽減が実現できるのです。
さらにCarebeeは医療・介護連携による未病の解決にも繋がります。タブレットを通じて得た顔周辺の動画データを蓄積し、AIで映像解析することで、高齢期に重要な認知機能や嚥下機能・飲み込み能力の低下を事前察知することが可能です。飲み込み能力低下による誤嚥性肺炎は死因の7位。筋力低下は自分で気付くのが非常に難しいので、AIを活用して察知し予防に繋げます。こちらは広島大学病院と一緒に開発を進めています。
将来的にはCarebeeを、家族状況や場所に依存せず、最期まで自分らしく過ごすためのツールに昇華させたいと考えています。
今後はお問い合わせに応えられるよう開発と運営体制を強化し、超高齢社会の日本の未来をより良くしていきます。以上、Hubbitでした。