ABOUTピッチ概要
私は、企業の価格決定の支援をしています。値決めは経営といわれるほど重要な分野ですが、明確な根拠をもって価格決定できているでしょうか。値決めすなわちプライシングは事業への影響が大きいですが、ABテストができない領域です。なぜなら価格が原因で離れてしまった顧客は、価格を戻しても、戻ってくる可能性が低いからです。また顧客の反応は、顧客によって異なるため、根拠を持った価格決定ができないことが多いのが現状です。
そこで、顧客の反応を元に根拠を持った意思決定をするためのツールである「Pricig Sprint」を開発しました。「Pricig Sprint」とは、流れは大きく分けて4つで、要件設計、調査、分析、実行支援の流れで行います。
まずは要件設計です。事業の課題や計画、戦略を元に、顧客データを整理し、顧客を属性ごとにセグメントに分けます。その顧客が何を重視しているか、すなわちお金を払っている要因を探し、プランの適切な数や、課金の単位、価格ごとの使える機能は何かなどの、複数パターンの仮説を作ります。
次にこの仮説を元にアンケート調査を行います。自社のアンケートサービスにログインすると、オリジナルのアンケート項目があり、Googleフォームのようにリンクを生成し、簡単に配信できます。スクリーニングの必要はありません。
次に、アンケート調査の結果を元に分析を行います。このシュミレーションでは、価格を変えた際の売上と許容してくれる顧客数の推移を明らかにすることができます。しかし、このシュミレーションは精度が非常に重要です。この精度を確かめるために、サービスの適正価格を、アンケートによるシュミレーションとABテストの結果が10円単位で完全一致しました。このように3つのプランで分析し、一致しました。 この要因は私たちの顧客のセグメント分けと、設問設計が適切だったことにあると私たちは考えています。
この「Pricig Sprint」を使った実績として、MRRが5000万アップする値上げプランを採用し、顧客離脱が起こらなかった事例もあります。
次に実行支援ですが、価格改定を実施する過程で、顧客への対応やリスクの洗い出しなど、様々な課題が存在します。下記図表のようなロードマップに沿って、漏れなく実行まで幅広くサポートします。
以上が、「Pricig Sprint」の概要説明です。またこの「Pricig Sprint」は継続的に使われるツールとなっています。その秘密は、シュミレーション機能の裏側にあります。下記図表は、価格がいくらの時、何パーセントの顧客が受け入れてくれるかの図表で、青い線が既存顧客で、赤い線が獲得したい顧客です。
現在の価格は青が最も高い1680円ですが、2980円が獲得したい顧客が最も効率よく獲得できる価格です。今の価格のままだと品質に不安を感じてしまいますが、2980円まで値上げをすると、既存顧客が解約してしまいます。
この条件で意思決定をする際に、重要名のは、顧客の解約が少ない範囲で値上げを実施し、徐々に値上げをすることで既存顧客が許容する金額する点がちょっとずつ右にずれていき、大きな顧客離脱なく効率よく顧客を獲得できるのです。
徐々に価格を変えていく際に、「いつ変えるのか」「いくら上げるのか」は都度調査が必要なため継続的に利用していただいております。
プライシングは、全てのドメインに存在するため、無限に大きくなるビジネスです。また根拠を持った価格決定をすることで、顧客離脱も最小限におさえつつ、売上は大きく変わるため、可能性を秘めている領域なのです。以上で終わります。ありがとうございました。