ABOUTピッチ概要
株式会社Glocalistの吉川です。グローバルビジネスのリスクマネジメントSaaS「Glocalist」を紹介させてください。
コロナ禍でも日系企業は海外拠点が6000拠点以上も増えており、2005年から比較するとその数は2倍以上に膨れ上がっています。
グローバルビジネスの形態は、貿易から現地拠点化へと移ってきました。しかしながら現地拠点が増加したことで、各国の不透明な制度や法規制によって事業継続に支障をきたしている企業は4割以上に上ります。具体的には、外資規制により事業撤退せざるを得ない、法規制によって120億円の制裁金が課せられた、コロナ禍でのロックダウンによりサプライチェーンの寸断が起きた等の事例が挙げられます。
海外の法規制は制定から施行までの時間が短い上に、直近ではESG投資の拡大やコーポレートガバナンス・コードの改訂に伴い、有価証券報告書の適時開示が必要です。こうした動きから即時対応の重要性が増しています。
とはいえ既存のグローバルリスクマネジメントは、ニュースの収集から関連情報の検索、翻訳等15のステップをクリアするのに平均約3か月が必要です。その理由にはまず、複数プレーヤーが複数ツールを駆使して対応していることが挙げられます。また、社内のステークホルダーが多部署に跨がって海外事業に関わっていることも関係しているでしょう。結果として、紙やExcelの報告書を複数のメンバー間でメールでやり取りする状況に陥っています。
Glocalistはこれらの課題を踏まえ、即時性と信頼性を叶える機能を搭載しました。結果として15ステップを8ステップまで削減し、情報収集のスピードアップを図ります。
まずはリスクを検知するべく情報収集からスタート。パブリケーションという機能は、各国の官公庁や行政機関から発令される官報を毎日収集し、データベース化しています。
例えばベトナムでは毎日100件近くの官報が上がってきますので、アラート設定により検知すべきリスクを見落とさないようにします。またこうした報告は現地のベトナム語で発令されますが、翻訳APIで英語・日本語に自動翻訳されたコンテンツも同時提供しているため、翻訳しつつ情報収集する必要はありません。
自社リスクに該当する官報を発見したらリスクリストに登録。このリスクリストとアクション機能によって、部署を跨いだコミュニケーションを行い、その対応履歴を残します。
将来的に似た事象や同じ法令の改正案が出てきた場合には、Glocalistに蓄積された過去の対応履歴を検索・参照することにより、更に即時対応を可能にする未来をイメージしています。
またGlocalist編集局と士業従事者による独自コンテンツである「Suggestions」では、各リスクに必要な対策等が明確になるような情報を発信。大手法律事務所や監査法人でさえも情報獲得に時間がかかる「当局運用方針」については、現地のプロフェッショナルに直接ヒアリングできるプロフェッショナル機能を搭載予定です。これらの機能により、フィジビリティ導入いただいた78社のうち約8割からご満足の声をいただいています。
今後は1社1か国15万円からの月額課金をベースに売上を積み上げ、2025年に6兆円規模になるGRCツール市場でシェアを獲得していきます。サービス展開エリアは、日系企業の海外拠点のうち7割を網羅する10か国12エリアに広げていく予定です。
現在フィージビリティで参加いただいた78社や外郭団体、金融機関からリードを獲得。さらに監査法人や法律事務所とのアライアンスパートナーシップにより、売上を拡大していきます。経産省やジェトロへのロビー活動もスタートし、2021年度の「飛び出せJapan!」の補助金にも採択いただきました。
Glocalistはグローバルビジネス経験があるメンバーで構成されており、「リスク」を「事業機会」にできる世界を創出していきます。ご清聴ありがとうございました。