ABOUTピッチ概要
株式会社ジーニアルテクノロジーの阿部川です。弊社ではAIで監査を自動化するサービス「GenialAI Audit」を開発しています。
企業の決算書にはさまざまなデータが盛り込まれています。例えばトヨタ自動車の年間売上は約25兆円。新車や車の部品、その他サービスの取引を合わせると計数千万件の取引があります。この取引内容をチェックするのが会計監査です。この膨大な売上データを通常はどうやって検証しているのかというと、「証憑突合」と呼ばれる手作業で対応しています。一つの取引で確認するのは、取引の日付や相手先、品名、数量、金額等。1件当たり5分から10分程かかり、非常に時間がかかる手続きです。
私は公認会計士になってから、誰でもできるような単純作業に多くの時間を費やしました。手作業は時間がかかる上に、現在の監査ルールは厳格化。それもあって会計士の人材不足が社会問題となっています。私たちはこの面倒な突合手続きを、SaaSクラウド型のソフトウェア・GenialAI Auditで自動化します。
GenialAI Auditは、ExcelとPDFを自動的に突き合わせるRPAです。取引データのExcelとPDF資料をGenialAI Auditにアップロードすると、数字を自動的に突き合わせて不一致箇所を提示してくれます。次のデモ動画をご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=vyT0UQ599zE
GenialAI Auditを使用する際は、まずどの明細行をテストするか選択します。今回のデモでは全ての取引を選択しました。チェック方式やテスト対象カラム、クレンジング関数等を使って、テスト内容をカスタマイズできます。あらかじめ用意したファイルをアップロードし、テスト項目定義を設定して突合処理を実行したところ、ものの数秒で完了しました。
結果の詳細を見てみると、数件で不一致が発生しているとわかります。この不一致箇所のレビューや、Excelでのテスト結果ダウンロードも可能です。
監査で扱う資料には数多くの種類があるため、OCR設定にかかる時間がネックとなります。しかしGenialAI Auditでは、PDFをアップロードするだけでテンプレート設定を自動生成可能です。このOCR設定自動生成機能は日本で特許を取得しており、OCR自体は日本語・英語を含む10か国語に対応。日本語の手書き文字も読み取れます。こうして証憑突合を自動化することで、監査にかかる時間を4割以上も削減できる見込みです。
現在4大監査業法人のうち2社とPoCを行っており、うち1社はすでに最終段階に入りました。予備調査ではすでに95%の精度を達成しています。注目すべきは情報セキュリティ体制。ISO27001を取得しており、大手監査法人の厳格なセキュリティチェックを突破しています。
まずは日本市場から販売を拡大していき、世界中の監査のAI化を目指します。グローバルAI監査市場は約4兆円。また会計監査以外にも税務調査や内部監査、レグテック、内部統制RPAなどにも転用可能なので、すでに監査法人以外にもアプローチを始めています。
最後にチームメンバーを紹介します。PwCで監査を行った後、AI研究で有名な米国の大学でMBAを取得した阿部川。会津大学大学院で学んだ後、6年以上SaaSを開発する佐竹真樹。EYで監査を行った後、米国の上場企業でテクニカルアカウンティング担当役員をしている山本高輔。東大模試をAIで解いて受験生の平均点を超えた「東ロボくん」を開発した阪本浩太郎。日米の公認会計士試験に合格して、ソフトウェア開発へ転向した加藤泰裕。6年以上の大企業でのシステム開発経験がある浜田和平など、優秀なメンバーが揃っています。ご清聴ありがとうございました。