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痛みや不安をテクノロジーによって解決する、株式会社xCuraの新嶋です。
突然ですが皆さん、治療はお好きでしょうか。治療が大好きな方はあまりいないと思います。では、治療が楽しくてワクワクするものであれば、素敵だと思いませんか? そんな未来はすぐそこまで来ています。xCuraは次世代鎮痛技術「XR Therapy」で治療中の痛み・不安を軽減し、ワクワクする治療体験を提供いたします。
歯科における課題の一つが、歯科恐怖症です。歯科恐怖症の患者は日本に約500万人、20人に1人の割合でいると言われています。あまりに恐怖や不安が強い場合は、静脈内鎮静法という意識を鎮静化させる注射を行いますが、これは患者・クリニック双方に課題があるのです。
静脈内鎮静法を使用する場合、患者の意識が朦朧とするため、手術当日は車・バイク・自転車の使用はできません。また4〜5時間前より飲食制限があり、自費で4〜5万円ほどの費用負担も発生します。歯科医も専門の麻酔医を導入する必要があり、スケジュールの調整が大変です。さらに術後に患者が覚醒するまで30〜120分の待機時間があり、その席の回転率が落ちるという問題もあります。
これらの課題は、XR Therapyによって解決可能です。麻酔の代わりにXR Therapyを使用することで、VRの着脱のみのシンプルなオペレーションとなります。車で通院できて飲食制限もありません。非常に安価に不安を軽減でき、当然ながら麻酔医の動員も不要。よって治療後の回転率もアップし、収益が安定化する点もメリットです。
治療中にVRによって痛み・不安を軽減する手法を「VRディストラクション」と言い、欧米を中心に研究が進んでいます。急性の痛みに効果的なツールとする論文も出ました。麻酔の量が減ったという報告もあり、減薬が期待できる次世代鎮痛技術です。
VR映像を見るだけではなく、VR映像によって呼吸の長さ・タイミングをガイド。心理療法を取り入れたナレーションもあり、視覚と聴覚を連動させて痛み・不安を軽減します。
今回は一例として歯科クリニックを取り上げましたが、痛みや不安が大きい治療検査では汎用的に使用可能です。例えば医療脱毛クリニックや産婦人科、ホスピス、泌尿器科など様々な分野で使用できればと考えております。
現在は複数の歯科クリニックで試験運用いただいており、今後医療脱毛クリニックや透析クリニックでも試験運用を開始する予定です。歯科医師からは「特に外科的な処置で、恐怖心の軽減効果が高い」、患者からは「呼吸のガイドがあるのでリラックスできた」「没入感のある映像で痛みが紛れた」「音楽があり、歯を削る音が聞こえづらくなって恐怖心が減った」との声をいただいています。
ビジネスモデルは、VRゴーグルとコンテンツを病院に納品する際の初期費用と月額費用をいただく形です。XR Therapyを患者に提供して使用料を徴収する場合その収益は、病院のものとなります。
次のステップとして、治療中の痛みのデータを収集し、医療機関などと連携することを検討しています。最終的にxCuraは、痛みのデータを扱う会社として事業展開する予定です。ヘルスケアにおけるVR市場は、2022年に5000億円規模、2030年に6兆円規模になると言われています。薬だけでは解決しきれない痛み・不安という課題に取り組んでいきます。
2022年春にXR Therapyを正式リリース後、様々な診療科目で積極的に展開予定です。2022年後半にはフィンランド、インドネシアでのリリースも予定しています。また2022年春に日本で初めてVRディストラクションの共同研究を行い、それを元に医療機器申請。最終的には痛みの定量化を目指します。テクノロジーで世界をペインから解放する、xCuraの新嶋でした。ありがとうございました。