ABOUTピッチ概要
はじめまして、Teatis Inc.の高頭と申します。米国でTeatisを立ち上げ、ヘルスケアと食、そしてサプライチェーンをシームレスに繋ぐためのプラットフォームを開発しています。
その第1弾として、糖尿病患者向けのスナックデリバリーサービスの提供を開始しました。患者それぞれへの栄養指導に合わせて食品がパーソナライズされ、自宅に直送される仕組みです。なぜ糖尿病から事業を始めたのか。米国では糖尿病患者や予備軍が1.2億人も存在する、圧倒的に大きなマーケットだからです。
すでにTeatisは、この大きなグローバルマーケットに挑むチーム構築を完了しています。私はこの会社を創業する前、AIをベースにしたアドテクノロジーのソリューションを開発し、KDDIに売却しました。COOはメルカリUSのHead of Finance、J.P. Morganを経て、ファイナンス全般を統括。その他、ソフトウェアエンジニア、データサイエンティスト、ダイエティシャン、サプライチェーンマネージャーといったメンバーや、豊富な経験を持つメディカルアドバイザーもCMOとしてジョインしています。
糖尿病患者における課題は何でしょうか。ハーバード大学のリサーチによると、糖尿病患者の10人に9人は、健康的な食生活さえ送ることができれば合併症を防げるそうです。しかし実際には健康的な食生活を継続できていません。
身近にあるウォルマートの小売店舗で購入できるのはミールシェイクやサプリメントなどで、多くの患者はミールシェイクばかり飲む生活に飽きてしまいます。またAmazonで糖尿病に関連する商品を検索しても、その方の健康状態に基づいたレコメンドはされません。よって糖尿病患者は、商品ごとの成分表示を調べ、自分に合った商品かをチェックすることに多くの時間を費やしています。オンラインのコーチングサービスもありますが、プランのみが提供され、食事の準備は患者任せ。食事の用意に毎日4時間以上かかり、負担の大きさが課題です。
しかしこれらの問題は、私にとっては人事ではありません。私の妻ががんになり、食事療法を通じて看病した経験があるからです。彼女に合った食品を見つけるために多くの時間を費やした経験を活かし、Teatisというソリューションを提供しています。
Teatisは米国内で販売されている商品のデータベースを構築すると共に、100以上のハイグレードな商品を提供するブランドとダイレクトに契約し、幅広い商品構成を実現。健康と嗜好のデータを元に、1万以上のパターンに顧客を分類できるレコメンダーも構築し、栄養士とシームレスに連携して顧客に適した商品を直接配送できるUXを提供しています。実際にデモをご覧いただきましょう。
パートナーの栄養士は、オンライン上にあるクラウドカタログにアクセスし、自由に商品をオペレーションしてオンラインにストアを構築できます。
そして顧客は商品を受け取った後、自分の嗜好や健康情報を入力することによって、さらにパーソナライズされた商品に作り替えられる仕組みです。
Teatisの顧客獲得チャネルには、サブスクリプションをベースとしたBtoCと、パートナーの栄養士やヘルスコーチとレベニューシェアを行うBtoBtoCがあります。米国には栄養士が約10万人おり、Teatisは彼らの顧客にアクセスすることで、顧客確保コストゼロのままスケーリングが可能です。そして栄養士に対しては、煩雑な商品購入ロジスティクスや商品購入リスクをなくし、彼らの顧客の満足度も高めるという価値を提供します。よって顧客のアップセルを手伝うことも可能です。
Teatisでは2022年1月に商品提供を開始しました。フードデリバリーサービスにとって最も重要なのはリテンションですが、米国でシェアNo.1のHelloFreshの3か月目のリテンションを既に上回っています。またパートナーシップを組んでいる栄養士やヘルスコーチの総フォロワー数は、170万人を超える規模になりました(編注:2022年6月現在)。
なぜ今この事業に取り組んでいるのか。糖尿病患者は既にオンラインで栄養指導を受け始めていますが、栄養指導と食の配送を繋ぐプラットフォームがまだ存在していないからです。ここに大きな事業機会があると考えます。糖尿病から始めたこの事業を、ゆくゆくは腎臓疾患や高血圧といった慢性疾患に拡大していく予定です。
Teatisがこの事業を通じて得るデータは、患者の健康と嗜好データのセットというユニークさがあります。Amazonは健康データを持っておらず、ヘルスケア企業は嗜好データを持っていません。Teatisはこのデータを組み合わせて活用することによって、オンラインコーチングをプラットフォーム上で展開でき、このデータをリテールに販売することで、疾患を持つ患者にリテールの中で商品をレコメンドするケースを作ることも可能です。
ヘルスケアと食の分断されたサプライチェーンを統合し、このグローバルの課題を解決していきます。ありがとうございました。