ABOUTピッチ概要
以下はMonthly Pitch当日の、スタートアップによるピッチのダイジェストです。
207株式会社の高柳です、よろしくお願いします。
僕は2018年にこの会社を創業し、最初は配送事業を営んでいました。その過程で判明したのは、宅配領域には荷主、元請け事業、下請け事業者、個人配送員、消費者と5つのステークホルダーがいるということです。
彼らは大きく3つの課題を抱えています。1つ目に配送の非効率。2つ目に多重下請け構造。最後に人材不足。家主不在なのに配送したり、ポストに不在票が入っていたり、指定された時間に家主が不在だったりといった非効率が、宅配にはまだまだたくさん存在しています。
なぜこういった問題が解決しないのでしょうか。その理由の一つとして、最終的に消費者に荷物を届けるほとんどの配送員が(制服を着ていたとしても)個人事業主であることが挙げられます。配送員の報酬は「1個当たりの配送額×配送量」で決まります。そのため配送員に配送を依頼する配送会社からすれば、配送効率を高めたところで利益率が高まるわけではありません。この構造が配送の非効率に繋がっているのです。また、荷主から配送依頼を受けた元請け事業者は、消費者向けの宅配ラストマイル領域の荷物においては80%以上を下請けの物流会社に依頼をします。物流の2024年問題により正社員の稼働はさらに落ちるので、業務委託先や個人事業主による配送は今後さらに増えるでしょう。
207はそれぞれの物流ステークホルダーに対してサービスを提供することで、上記の問題を解決していきます。現在は荷主・元請け物流会社向けの「トドク便」、中小物流会社向けの「トドククラウド」、個人配送員向けの「トドクサポーター」といったサービスを展開。将来的には消費者向けにもアプリケーションを提供していく予定です。
トドクサポーターについての詳細を説明すると、これは2019年から提供しているサービスです。配送に際して配送員は、これまで配送先の住所をカーナビやGoogle マップに手入力していました。その点トドクサポーターなら、伝票を撮影するだけで必要な情報を読み取り、配送先までの最適なルートを提示してくれます。また伝票から電話番号を取得し、SMS経由で、在宅か不在か、置き配はしていいかといったことを消費者に問い合わせ。広告なしで口コミ・オーガニックで広まっていて、2024年2月現在約5万人が利用しています。トドクサポーターが使われれば使われるほど配送員や配送効率化のためのデータを貯めていき、将来のプラットフォーム構築に貢献させていきます。
トドククラウドは2023年に提供を始めた下請け物流会社向けSaaSで、これも順調に利用者を伸ばしています。中小宅配企業のタッチポイントを押さえることで、未だ誰も可視化できていない多重下請け構造を可視化。この情報もプラットフォーム構築に寄与することでしょう。
また207は物流会社も運営。将来的にはこれを起点に、実際の物流の商流に入り込んでいきたいと考えています。
以上です、ありがとうございました。