ABOUTピッチ概要
以下はMonthly Pitch当日の、スタートアップによるピッチのダイジェストです。
株式会社Giftsの小笠原です、よろしくお願いします。
母親でも父親でも、妊娠が発覚したら「やった! 嬉しい」といった気持ちになるでしょう。しかし数日経つと「おなかの中の赤ちゃんは元気かな?」「赤ちゃんはちゃんと大きくなっているかな?」といった不安が湧いてきます。こういった感情を解消するのに最も有効な方法は胎児超音波検査です。この検査なら、現在の赤ちゃんの推定体重、赤ちゃんが元気かどうか、寝ているのか、ぐったりしているのかといったことがわかります。
私自身、産婦人科医として毎日妊婦さんにこの検査を提供しています。ただ実に44%の妊婦さんが、予定外に「今、検査してもらいたい」と思っても、産婦人科医に「相談すら」できていないという現状があります。また相談できたとしても、実際に検査を受けられるのは残りの半分以下となっています。
なぜこんなことが起こるのでしょうか。その理由の一つに、胎児超音波検査の難しさが挙げられます。胎児超音波検査では例えば赤ちゃんの頭や足の位置や大きさを計測するのですが、これが精度よくできるようになるためには2〜3年の期間が必要なのです。また産婦人科医は今かなりの人手不足で忙しく、妊婦さんがそれを察して「相談すら」できていないという現状があります。
これを解決するのがGifts社が開発する、誰でも手軽にどこでも使えるウェアラブルな胎児超音波検査システムです。妊婦さんのお腹に柔らかくて密着するジェルマットを巻き、いくつものプローブを並べます。プローブからは超音波が出るので、これを元に胎児の3次元モデルを作成するという仕組みです。
医師・病院・妊婦・その家族など、多くの方の課題を解決できる製品のため、いくつかのマネタイズモデルを考えています。一例としては、病院が機器を購入して外来や待合室に設置し、妊婦がそれを使うのに利用料を支払うといった方法を検討しています。
世界では毎年1.4億の赤ちゃんが生まれていますが、胎児超音波検査の頻度と赤ちゃんの予後(周産期死亡や脳性麻痺をどれだけ防げるか)は比例します。しかし産婦人科医はどの地域でも不足しており、十分なエコーが出来ないために毎年何万人もの赤ちゃんが、本来防げるはずの不幸に見舞われてきました。我々のウェアラブルエコーは国内で利用するだけでなく、こういった国々へも輸出していきたいと考えています。なお、我々のウェアラブルエコーはクラスⅡの医療機器なので、治験は原則的に不要で比較的早い認証が見込めますが国内外でのエビデンスを構築するために、医師との同等性を示す臨床試験などを適宜行っていきます。
以上です、ありがとうございました。