ABOUTピッチ概要
マーダーミステリー(マダミス)は、中国で映画、スポーツに次ぐ人気があり、3,000億円以上の市場規模となっているエンターテイメントです。マダミスを一言で説明すると、物語のある人狼ゲーム。自分がミステリーの登場人物になることで、自分が犯人と疑われたり、探偵役になったりしながら、自分でミステリーを作っていく体験型のエンターテインメントとなっています。日本においても『金田一少年の事件簿』とコラボしたり、『週刊少年ジャンプ』にマダミスのコーナーができたり、テレビ番組や映画とのメディアミックス事例が登場してきました。
この市場の中で我々が開発しているのが、マダミスを簡単にスマホで遊べるアプリ「ウズ」です。スマホで全国のプレイヤーとオンラインでマダミスが遊べるようになっており、また実際にリアルの部屋に集まって、スマホ片手に物語の登場人物になりきって遊ぶことも可能です。
マダミスは1シナリオを5人程度で遊ぶのですが、3人しかマダミスに興味のある人がいなかった際、ウズなら残り2人を誘えます。また感想の投稿を促すことがアプリの導入を促進。これらがアプリのダウンロード数の増加を支えています。
2024年11月現在、ウズには740作品ものマダミス作品が掲載されています。このほとんどはマダミス制作投稿ツール「ウズスタジオ」で制作されました。これはGUIで簡単にゲームを作れ、また稼ぐこともできるサービスです。ある作家はウズスタジオを使って毎月30万円以上の収入を得ており、脱サラしてマダミス作家としての活動を開始するほどの成功を収めています。
今後ウズは、多くの面白いゲームを用意し、それがユーザーを増やし、クリエイターも増やして、またゲームが面白くなる、というようなサイクルを描いて成長していきたいと考えています。
またSallyは、オフラインの事業も手掛けています。例えば「ウズプロダクション」は、イベント制作やコンテンツ制作を行っている事業です。これは、私たちの社員が制作をしているわけではありません。ウズというプラットフォーム上には3,000人以上のクリエイターがいて、それぞれの作品の成績や評判を見られるようになっているので、「この人とだったらこういうイベントが作れそう」というクラウド出版社のような形で事業を開発しています。
これまでSallyは、芸能事務所と取引をしたり、星野リゾートさまでマダミスを作ったり、講談社さまとアニメコラボを仕掛けたりしてきました。三菱地所さまおよび松竹さまと共同制作した、ロイヤルパークホテルの地下にあるバーでいきなり殺人事件に巻き込まれるというイベントは、チケット300枚が25時間で完売する人気となっています。また、京都旅行に当選したと思ったら絶体絶命のデスゲームに巻き込まれるという1泊2日の旅行イベントは、1人38,000円のチケットが20秒ほどで売り切れてしまいました。
2024年11月にはウズの台湾版をリリース。韓国でのリリースも控えています。日本の作品が海外で翻訳されて遊ばれる。台湾のクリエイターの作品が日本でも遊ばれる。そんな各国のクリエイターエコノミーを連続させることで、マダミスをより大きな産業にしていきたいと考えています。
私がマダミスに出会ったのは2020年。元々はオンラインで遊んでいたのですが、夜行バスに乗って大阪で『オーギュリー』という作品を2時間かけて体験し、3日後になっても泣いてしまうぐらい感動したのがきっかけで、マダミスにのめり込みました。物語の登場人物になれるのがマダミスの醍醐味ですが、自分とキャラクターの感情が混ざるような感覚は、映画では得られない体験です。
マダミスというエンターテインメントは、漫画やアニメに次ぐ、日本から作っていける大きなジャンルになる可能性を秘めています。私たちは物語を体験する新しい方法を発明したいのです。物語を読むKindle、物語を見るNetflixのように、物語の中を生きるウズを、世界的なスタートアップにしたいきたいと考えています。以上です、ご清聴ありがとうございました。